NEWS過度の一般化、それは自縛の紐
「過度の一般化」は、言わば「諸悪の根源」です。
およそ世界に満ち満ちている偏見や差別は、「過度の一般化」によって引き起こされます。
そうですよね、物事のある一部だけをとらえて、それがあたかも「全体」であるかのように捉えてしまうという事ですから。
「この宗教の信者は、すべてテロリストだ」「〇〇人は、みんな嘘つきだ」「難民は、みんな泥棒だ」。こんな言説は、すべて「過度の一般化」が引き起こしています。
これは、自分に対しても当てはまります。
「受験に失敗したから、自分の人生はもう終わりだ」「上司に叱られたから、もうこの会社にいることはできない」といった思い込みも、「過度の一般化」の所産です。
こういった、「過度の一般化」が原因の諸々は、対人関係では人と人との関係を断ち切り、自分に対しては、そう思い続けている人たち自身を苦しめてしまいます。
確かにこれは、実際に基づいた感想から導き出されている場合もあるかもしれません。
しかし何度も繰り替えてしているように、それは「全て」ではありません。言説に当てはまらない部分のほうが、ずっと多いのです。
確かに、ごく一部であっても、不安要素を喚起するものは、遠ざけておきたいという気持ちも、わからないわけではありません。
特に、完璧主義にとらわれてしまっている場合、余計にそう感じてしまう事でしょう。
ただ、考えてみてください。
「過度の一般化」を根拠にして、或る人たちを遠ざけてしまった場合。
最初は不安の種がなくなって、せいせいした気持ちになるでしょう。一時の安心感を得ることが出来ます。
しかし、また同じような人が現れた場合…。
その人も遠ざけてしまわなければ、いけなくなってしまいます。
そんなことを繰り返している間に、あなたの近くには、人は誰も居なくなってしまいます。
対人関係に限らず、自分の行動についても、「過度の一般化」を元に自分の行動を制限していくと、自分が行動できる範囲が、非常に制限されてしまいます。
「過度の一般化」を繰り返していく限り、あなたの世界は、どんどん狭くなってしまいます。そして、広がることは決してありません。
言わば、どんどん溶け続ける氷山の上に乗って、海を漂流しているようなものです。
そのうち、あなたが居る場所そのものが、無くなってしまうかもしれません。
この「自縛の紐」から逃れるためには、「過度の一般化」を止める必要があります。
「過度の一般化」を止めるという事は、自分が排除していた、もっと広い世界に気づくということです。
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