酷いことを言われて怒るのは？
前回、勝ち負けのお話をしました。
負けると、悔しいですね。
特に、「お前みたいなヤツは、役立たずだ」などと言われてしまうと、本当に頭にきてしまいます。
他にも、頭にくるような言葉は、沢山ありますね。
自分の容姿を悪く言われたとか、自分の能力を否定されたとか、今までしてきた努力を否定されてしまったとか。
何よりも、自分その物を否定されてしまったときは、怒りは最高潮にまで達してしまいます。
確かに自分を否定されると、激しい怒りを感じてしまいます。
しかし、何故怒りを感じてしまうのでしょうか？
それは、「自分でもそう思っている」からです。
例えば、「君は走るのが遅いね」と言われたとき。
もともと、「いや、そんなことは無い。俺は、とても速く走ることが出来るんだ」と思っていたのなら、「彼奴は、何を馬鹿なことを言ってるんだ」と、一笑に付してしまうことでしょう。
逆に「俺は走ることが苦手だけど、そんなことは何とも思っていない」人でも、「今さらそんなことを言われても、無意味なことに過ぎない」と思ってしまいます。
しかし、「自分は本来走ることが得意で、最近速く走ることが出来なくなってきた」と気にしている人が言われたら、「走るのが遅い」と言われたなら、激しく怒ってしまう事になるでしょう。
気にしているからこそ、また、それが悪いことだと思っているからこそ、相手の言葉に傷つけられてしまうのです。
逆に言うと、大事だと思っているから、怒りを感じてしまうのです。大事だと思っていないのなら、感情的になることに何の理由も無いからです。
つまり「怒り」とは、「あなたが気に病んでいる事や、大切に思っていることに触れられた」という印なのです。
もし、普段何も感じていなかったことを指摘されて怒りを感じてしまったと言うことがあったら、それはあなたがひそかに「大事だ」と思っていたことを呼び覚まされたのだと、言うことが出来ます。
怒りは、「大切なもの」「気に病んでいる物」に気づくチャンスでもあります。
この感覚は、すぐには受け入れがたい物かもしれません。
しかしそれは、あなたにとって、大切なメッセージでもあります。
